今日の一枚 (2013 9/10~9/19)

またしてもかなりひさしぶりの「今日の一枚」です。
前回の記事から1ヶ月以上も経ってしまってますね;

前回は60年代のバンドを中心に聴いていましたが、
今回は80年代のハードコア系バンドとなっています。

パンクが70年代後半にイギリスで大きな流行となった後、
より実験的な方向を目指してポストパンクに移行するバンドと、
より直線的な攻撃性を目指してハードコアやストリートパンクに
移行するバンドと、大まかに分けて2つの方向性が生まれました。

より直線的な路線を目指したハードコアパンクでしたが、
時間が経つにつれ、ポストパンクとはまた違った形で
新しい音楽性を構築しようという動きが増えてきます。

このハードコアパンク勢の動きとポストパンクの動きが
並行する形でオルタナティブロックへ繋がるわけですが、
今回のその動きに着目してみようと思ったわけです。

9/10~9/12
Husker Du "Land Speed Record" (1982-1stLive)
Husker Du "Everything Falls Apart" (1983.1-1st)
Husker Du "Metal Circus" (1983.10-1stEP)
Husker Du "Zen Arcade" (1984-2nd)
Husker Du "New Day Rising" (1985.1-3rd)
Husker Du "Flip Your Wig" (1985.9-4th)
Husker Du "Candy Apple Grey" (1986-5th)
Husker Du "Warehouse: Songs and Stories" (1987-6th)
[Hardcore Punk / Alternative Rock]

1stの時期までは極めて直線的なハードコアでした。

しかし、2ndや3rdになるにつれて徐々に変化が出てきます。

初期に比べてややテンポが落ち、激しいサウンドの中に
透明感のあるメロディを乗せる試みが増えていきます。

これがPixies、さらにNirvana, The Lemonheadsなどの
90年代のバンドに大きな影響を与えていくことになります。

そしてHusker Duのボブ・モールド自身もSugarへ移行し、
Husker Duで構築した要素をさらに推し進めていきます。

こうして全作品を通して聴くとその変化がより顕著に見えます。
特に2nd~3rd~4thあたりの変化が非常に面白いですね。

9/12~9/14
The Replacements "The Replacements Stink" (1982-EP)
The Replacements "Sorry Ma, Forgot to Take Out the Trash" (1984-1st)
The Replacements "Hootenanny" (1983-2nd)
The Replacements "Let It Be" (1984-3rd)
The Replacements "Tim" (1985-4th)
The Replacements "Pleased To Meet Me" (1987-5th)
The Replacements "Don't Tell A Soul" (1989-6th)
The Replacements "All Shook Down" (1990-7th)
[Punk / Hardcore Punk / Alternative Rock]

パンクにオーガニックな温かい感覚を大きく持ち込んだバンドです。

90年代にはパンクを経由しつつもどこか素朴で
オーガニックな感覚を持ったバンドが多くいましたが、
R.E.M.と並ぶその路線のルーツ的存在と言っていいでしょう。

The Goo Goo Dollsなんてまさしくその代表と言えますし、
The Lemonheadsも大きな影響を受けてると言えるでしょうね。

このバンドはハードコアというほど高速ではなかったですが、
やはりアルバムを重ねるごとに攻撃性が徐々に薄まって、
その温かみのある感覚が強まってくるのが印象的ですね。

9/14~9/16
Minutemen "Paranoid Time" (1980-1stEP)
Minutemen "The Punch Line" (1981-1st)
Minutemen "Joy" (1981.8-2ndEP)
Minutemen "Bean-Spill" (1982-3rdEP)
Minutemen "What Makes a Man Start Fires?" (1983.1-2nd)
Minutemen "Buzz or Howl Under the Influence of Heat" (1983-4thEP)
Minutemen "Double Nickels on the Dime" (1984.7-3rd)
Minutemen "The Politics of Time" (1984-Comp.)
Minutemen "Tour-Spiel" (1984-CoverEP)
Minutemen "Project: Mersh" (1985-5thEP)
Minutemen "3-Way Tie (For Last)" (1985.12-4th)
[Hardcore Punk / Alternative Rock]

このバンドは先の2つのバンドとは大きく路線が異なります。

ハードコアパンクを基盤にファンクをはじめとして
様々な要素を取り込む実験性の強いタイプのバンドです。

初期の頃は「奇妙なハードコア」といった感じですが、
アルバムを重ねるにつれ各要素の合わさり具合が絶妙になり、
ボーダーレスなオルタナとしての完成度が高まっていきます。

Jane's Addictionのルーツとして挙げられることも多いですし、
80年代中期からのファンク色の強いバンドの台頭にも
少なからず影響を与えたのではないかと思われますね。

9/16~9/19
Bad Brains "Pay to Cum 1979-1981" (2006-Demo Bootleg)
Bad Brains S/T (1982-1st)
Bad Brains "Rock for Light" (1983-2nd)
Bad Brains "I Against I" (1986-3rd)
Bad Brains "Quickness" (1989-4th)
Bad Brains "Rise" (1993-5th)
Bad Brains "God of Love" (1995-6th)
Bad Brains "I & I Survived" (2002-7th)
Bad Brains "Build a Nation" (2007-8th)
Bad Brains "Black Dots" (1996-Comp.)
Bad Brains "Banned in D.C." (2003-Comp.)
[Hardcore Punk / Funk Metal]

ハードコア+ファンクという流れでBad Brainsもいきました。

しかしながら、Minutemenとはまた大きく違っています。

Minutemenがパンクを軸に様々な要素を取り込んだのに対し、
Bad Brainsはもともと黒人系のバンドだったこともあって、
ベースにファンクやレゲエの要素が強くあったのですよね。

それが自然と湧き上がって取り込まれているという感覚です。

また、3rdあたりになるとメタルの要素も強まってきて、
ファンク+メタルの先駆者としての顔も強く見えてきます。

Living Colourや24-7 Spyzなどに与えた影響も大きいでしょうね。

こうしていろいろなハードコアバンドの作品を通して聴いてみると、
オルタナロックがどのように形成されたのかも見えてきますね。

[今回のYoutube]
今回はHusker Duの3rdアルバム"New Day Rising"に
収録されている"I Apologize"を選びました。

この"New Day Rising"は彼らが直線的なハードコアから、
透明感のあるメロディを重ねるスタイルへと変わっていく
その変化の中間点の切り取ったような作品となっています。

そのため彼らの作品の中でも非常に評価が高いです。

この曲は既にそのメロディセンスが光っていて、
彼ららしいパンキッシュな攻撃性を持ちながらも、
後のSugarに通じるスタイルを見ることができます。

Husker Du "I Apologize" (1985) [Hardcore Punk / Alternative Rock]
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今日の一枚 (2013 8/24~9/9)

ずいぶんとひさしぶりの「今日の一枚」になりました(;゚ω゚)

8月後半からいろいろと聴き方を変えております。

今までは一枚一枚を腰を据えて聴こうとするあまり、
聴かずに寝かしている音源も多かったのですよね;

そこで一つのバンドのアルバムを全部リストに入れて
最初から最後までまとめて聴くようにしてしまうことで、
より多くの音源に触れることを重視するようにしてます。

なので、一枚一枚の感想はやや薄くなってしまいますが。

ただ、ときどきは一枚に焦点を当てた紹介もしていきます。

8/24~8/27
The Beach Boys "Carl & The Passions - So Tough" (1972-18th)
The Beach Boys "Holland (1973-19th)
The Beach Boys "15 Big Ones (1976-20th)
The Beach Boys "M.I.U. Album (1978-22nd)
The Beach Boys "L.A. (Light Album) (1979-23rd)
The Beach Boys "Keepin' the Summer Alive (1980-24th)
The Beach Boys S/T (1985-25th)
The Beach Boys "Still Cruisin' (1989-26th)
The Beach Boys "Summer in Paradise (1992-27th)
The Beach Boys "Stars and Stripes Vol. 1 (1996-28th)
The Beach Boys "That's Why God Made the Radio" (2012-29th)
("Love You"(21st)はよく聴くので除いています)
[Rock]

今回は60年代のバンドばかりの紹介となっています。

まずはThe Beach Boysのあまり聴かない作品からです。

"Surf's Up"アルバムまではよく聴くのですけども、
それ以降は"Love You"を除いて聴く機会が少ないのです;

でもって、最新作の"That's Why~"だけはちょっと別として、
この時期のThe Beach Boysは長い迷路に入ってるのですよね。

"SMiLE"の断念以後、ブライアンは隠遁生活気味になりますが、
その後もバンドは"Friends"や"Sunflower"などの音楽的に
非常に高い評価を得ることになる作品も作っています。

しかしながら、これが商業的には大失敗してしまったため、
どう進むべきかを見出せなくなってた感があるのですよね。

ブライアンはドラムマシーンの導入や"Holland"でのEPなどで、
シンセポップを先取りするような姿勢を見せていましたが、
これはメンバーからの反対もあって上手く進みませんでしたし。
(一応は後の"Love You"でその路線が結実していますが)

そのため、イマイチ切れ味の鈍い作品群が並んでいます。

"Sail On, Sailor"や"Kokomo"など楽曲単位で見ると
光っているものもあったり、どのアルバムを見ても
1~2曲はいいと思わせるものはあったりはしますが。

最新作については流す感じで書くのも失礼なので、
いずれちゃんと単独で取り上げたいと思います(=゚ω゚)

8/27~8/31
The Beatles "Please Please Me" (1963.5-1st)
The Beatles "With The Beatles" (1963.11-2nd)
The Beatles "A Hard Day's Night" (1964.7-3rd)
The Beatles "Beatles for Sale" (1964.12-4th)
The Beatles "Help!" (1965.8-5th)
The Beatles "Rubber Soul" (1965.12-6th)
The Beatles "Revolver" (1966.8-7th)
The Beatles "White Album" (1968.11-9th)
The Beatles "Yellow Submarine" (1969.1-10th)
The Beatles "Abbey Road" (1969.9-11th)
The Beatles "Let It Be" (1970.5-12th)
The Beatles "Past Masters, Vol. 1" (1988-Best)
The Beatles "Past Masters, Vol. 2" (1988-Best)
The Beatles "Love" (2006-Comp.)
("Sgt. Peppers~"(8th)と"Magical Mystery Tour"(EP)はよく聴くので除いています)
[Rock / Psychedelic Rock]

アルバムを順に聴くのって想像以上に面白いですね。

というのも、アルバムを重ねるごとにそのバンドが
どのように成長してきたのか明確に見えるのですよね。

The Beatlesは初期の頃からいい曲が多いのですが、
アルバムを重ねるごとに楽曲により深みが加わって、
かつアルバムとしての完成度がだんだん上がってきます。

5thの"Help!"で壁を壊しそうな勢いがひしひし感じられて、
6thの"Rubber Soul"から9thのホワイトアルバムまでは
まさにバンドの勢いがピークにあるのが強烈に伝わります。

ホワイトアルバムのような大作って散漫になりがちですが、
それを有無も言わせない楽曲の完成度で黙らせる力があります。

"Love"は過去の楽曲にリミックスなどをして組み合わせたもので、
ファン以外には不要な作品ですが意外に上手くできていますね。

8/31
The Lovin' Spoonful "Do You Believe in Magic" (1965.11-1st)
The Lovin' Spoonful "Daydream" (1966.3-2nd)
The Lovin' Spoonful "Hums of the Lovin' Spoonful" (1966.11-3rd)
The Lovin' Spoonful "Everything Playing" (1967.9-4th)
The Lovin' Spoonful "Revelation_ Revolution '69" (1969-5th)
[Folk-Rock / Rock / Psychedelic Rock]

"Do You Believe in Magic?"などで有名なバンドです

このバンドは"Daydream"に代表されるような
素朴でやさしい曲がイメージにあったのですが、
1stは案外いろんな音楽性の曲がありますね。

そのためちょっと戸惑ったりもしてしまいましたが。

しかしながら、3rdの"Hums of"は素朴でソフトな曲が多くなり、
このバンドの持つ魅力を十分に堪能できる作品となっています。

4thの"Everything Playing"はサイケポップ寄りの作品です。

この時代にはいろんなバンドがサイケに傾倒しましたが、
他のバンドに比べるとちょっと弱い感じもありますね。

もっと徹底してサイケ化しても良かった気がします。

ただ"She Is Still a Mystery"や"Six O'Clock"など、
楽曲単位で見るとかなりよくできているものもあります。

9/1~9/9
The Kinks "Kinks" (1964-1st)
The Kinks "Kinda Kinks" (1965.3-2nd)
The Kinks "The Kink Kontroversy" (1965.11-3rd)
The Kinks "Face to Face" (1966-4th)
The Kinks "Arthur (Or the Decline and Fall of the British Empire)" (1969-7th)
The Kinks "Lola versus Powerman and the Moneygoround, Part 1" (1970-8th)
The Kinks "Muswell Hillbillies" (1971.11-9th)
The Kinks "Everybody's in Show-Biz" (1972-10th)
The Kinks "Preservation_ Act 1" (1973-11th)
The Kinks "Preservation_ Act 2" (1974-12th)
The Kinks "Soap Opera" (1975.5-13th)
The Kinks "Schoolboys in Disgrace" (1975.11-14th)
The Kinks "Sleepwalker" (1977-15th)
The Kinks "Misfits" (1978-16th)
The Kinks "Low Budget" (1979-17th)
The Kinks "Give the People What They Want" (1981-18th)
The Kinks "Word of Mouth" (1984-20th)
The Kinks "Think Visual" (1986-21st)
The Kinks "UK Jive" (1989-22nd)
The Kinks "Did Ya" (1991-EP)
The Kinks "Phobia" (1993-23rd)
("Something Else~"(5th),"Village Green"(6th)はよく聴くので、
 "State of Confusion"(19th)は持っていないので外しています)
[Rock / Baroque Pop]

The Kinksはアルバムが多すぎてさすがに疲れました;

The Kinksというと初期の"You Really Got Me"などの
ジャリジャリとしたサウンドから始まったのですが、
4thの"Face to Face"あたりからイギリスの素朴な
風景を描写したようなサウンドへと傾倒していきます。

とりわけ"Face to~","Something Else","Village Green"は
この時期のThe Kinksが打ち出した最高傑作と言えますね。

初期の作品は面白い曲はありつつもアルバムとして見ると、
そこまで完成度が高くない印象を受けることもありますが、
逆にこの時期はアルバムとしての統一感が素晴らしいです。

この傾向は"Arthur"などのその後の作品にも受け継がれてますね。

その後もこのイギリスらしい雰囲気を残しつつ、
いろいろな音楽性を見せる作品が続いていきます。

どれも粒はそろっていますが、全盛期ほどではないですし、
どうしても全体的に印象は薄くなってしまいますね;

ベテランバンドはどうしてもそうなってしまうのですが;

[今回のYoutube]
今回はThe Beatlesの楽曲の中でもとりわけ好きな
"Across the Universe"をYoutubeの曲に選びました。

オリジナルアルバムでは最終作の"Let It Be"収録ですが、
68年2月にレコーディングされて69年に先に公開されています。

また、アルバムによってバージョン違いがいくつかあります。

68年2月のレコーディングということもあって、
サイケ期からの流れを強く組んだ曲になっています。

ですが、"Sgt. Peppers~"や"Magical~"の楽曲に比べると、
やや素朴なフォークにも共通した印象を与えてくれます。

ちなみに貼っているのは69年に公開されたバージョンです。
"Past Masters"などのベスト盤にはこちらが収録されています。

The Beatles "Across the Universe" (1969) [Psychedelic Folk]

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今日の一枚 (2013 7/24~8/23)

このところサイトの関係でグランジばかり聴いてましたが、
ひさしぶりに60年代ソフトサイケへと帰ってきました。

やっぱりソフトサイケ的なサウンドはゆったりしますね(=゚ω゚)

8/21
The Cowsills S/T (1967-1st)
[Psychedelic Pop / Sunshine Pop]

"The Rain, The Park & Other Things"などのヒットで
知られるSunshine Popグループによる1stアルバムです。

現在のバージョンではもともと収録されていた12曲に加えて、
シングル4枚の各2曲(計8曲)がボーナスとして入っています。

Sunshine Popは好きながらも甘すぎると少し苦手ですが、
このバンドは甘さが控えめでサラッと聴けるのがいいですね。

またYellow Balloonあたりほどほのぼのしてるわけでもなく、
サイケポップのアルバムとしても納得のいく仕上がりです。

"The Rain, The Park~"やボートラのシングル曲以外にも、
"Pennies"や"La Rue Du Soleil"など佳曲が多いですし、
アルバム全体の完成度もなかなかのものと言えますね。

The Mamas & the Papasなどが好きな人はもちろんのこと、
サイケ期The Beach Boysが好きな人には合うでしょうね。

実際John CowsillはThe Beach Boysに参加したりもしてますし。

8/22
Tommy James and the Shondells "Cellophane Symphony" (1969-7th)
[Psychedelic Rock / Psychedelic Pop]

"Crimson and Clover"などで有名なサイケバンドです。

前作が"Crimson and Clover"に"Crystal Blue Persuasion"、
さらに"Sugar on Sunday"や"Do Something to Me"など、
楽曲単位での主張が強いサイケアルバムだったのに対して、
こちらはもう少し統一感のある作品に仕上がっています。

また、そのサイケデリアも前作以上に本格化してますね。

特にオープニングから9分を超えるドロドロのインスト曲で、
これだけでこの作品のガチガチのサイケぶりが伝わってきます。

そのかわり楽曲単位でのわかりやすさは弱まっていますが、
"Evergreen"や"Changes"で見せる密度の濃いサイケ感に、
前作の作風に近い"Loved One"や"The Love of a Woman"、
Bob Dylan風の"I Know Who I Am"、遊んでいる最終曲など、
前作とは違った形で聴きごたえのある曲が並んでいます。

とっつきやすさという点では前作のほうを推しますが、
より腰の据わったサイケを求めるならこちらでしょうね。

最近では前作とこの作品が合わせて1枚になってるので、
それを買えば両方とも楽しめるようになっていますが。

8/23
The Cyrkle "Red Rubber Ball (A Collection)" (2008-Best)
[Sunshine Pop / Psychedelic Pop]

以前にも紹介してますが、ひさびさに聴いてみました。

実際に2008年にリリースされたものなのかは少し謎ですが、
60年代のサイケポップ/サンシャインポップの隆盛期に
"Red Rubber Ball"などをヒットさせたグループの作品です。

このグループは全体的にさわやかでほのぼのとした
甘さが控えめのサンシャインポップという感じですが、
シタールやハープシコードをかなり多用することから
サイケデリックな要素も意外に強く感じさせます。

Yellow Balloonからサイケ感を強めた感じとも言えます。

ポール・サイモンらしさのある"Red Rubber Ball"を筆頭に、
まったりした"Turn Down Day"、しっとりした"The Visit"、
Sunshine Popらしい"Please Don't Ever Leave Me"など、
なかなか佳曲がそろっていて飽きさせない仕上がりです。

また"Why Can't You Give Me What I Want"は
クリアなサイケポップとして極めて秀逸ですね。

この曲はサイケ好きなら聴いておいて全く損はないです。

さらに"Turn of the Century"や"Red Chair, Fade Away"と
Bee Geesの"Bee Gees' 1st"からのカバーも2曲あります。

[今回のYoutube]
今回はThe Cowsillsの1stアルバムから彼らの代表曲である
"The Rain, The Park & Other Things"を選びました。

この曲は単に彼らの最もヒットしたというだけでなく、
甘すぎないポップ感とクリアなサイケデリアが両立した
彼らの音楽性が最もストレートに伝わる曲でもあります。

サンシャインポップとしてもサイケポップとしても聞きやすく、
それぞれのジャンルに入るきっかけにも向いてる曲ですね。

The Cowsills "The Rain, The Park & Other Things" (1967)
[Psychedelic Pop / Sunshine Pop]

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今日の一枚 (2013 7/15~7/23)

このところamazonのリストを作っているのですが、
その関係で今回はグランジ系の紹介となっています。

7/22
Pond S/T (1993-1st)
Pond "The Practice of Joy Before Death" (1995-2nd)
Pond "Rock Collection" (1997-3rd)
[Grunge / Alternative Rock]

グランジムーブメント後にSub Popから出たバンドです。

いわゆる「グランジ後発組」にあたってしまうためか、
後追いイメージを持たれて軽んじられることも多いです。

ただ、実際のところは典型的なグランジサウンドではなく、
他のバンドには見られない様々な音楽性の融合が見られる
後発系グランジの中でも光るものを持っているバンドです。

◎Pond S/T (1993-1st)
メロディはLove Batteryにも通じるサイケな粘り気を持ち、
サウンドはFailureやHumのように少し宇宙的な要素も見せつつ、
同時にTreepeopleのように寂しげでザラついた感覚も見せます。

部分部分で見ると他のバンドと共通する要素があるのですが、
全体として見ると他にはない融合の仕方をしてるのですよね。

こういった立ち位置のバンドはなかなかいないと思います。

Pixies的な音作りを基盤に据えて、そこに宇宙的な感覚や
ポストハードコアのザラつきを取り込んで独自の雰囲気を作り、
さらにサイケデリックなメロディを乗せて完成させた感じです。

そのため直接的なルーツをPixiesに持ってはいても、
そのサウンドの持っている雰囲気は大きく違っています。

また、このザラザラとしたサウンドと哀感のあるメロディは
エモの源流でもあるSunny Day Real Estateにも通じますね。

そういった点からもっと評価されていいと思うのですが、
グランジ好きの一部でしか聴かれないのは少し気の毒です。

◎Pond "The Practice of Joy Before Death" (1995-2nd)
2ndになって基本的な音楽性は変わってないのですが、
インディーロック的なザラついたムードが少し後退し、
そのかわり宇宙的な感覚が1stよりも強まっています。

また1stは音とメロディが別々の個性を見せてましたが、
今作ではサイケ感のあるメロディは継承されつつも、
宇宙的なサウンドにより溶け込んだ感じになっています。

要するに1stではサウンドに3つの軸があったのですが、
今作では宇宙的な要素を最もメインとなる軸としたうえで
残りの2要素がそれを補完するような仕上がりになっています。

とはいえ、中には宇宙的な要素がほとんどない曲もあったり、
"Sundial"のようにラーガロック/サイケな曲もありますが。

またそれによって音楽的にはよりまとまりが出ていますが、
一方で楽曲単位での個性は少し弱まったようにも見えます。

でも1stが気に入った人ならこの2ndもいけるでしょうね。

◎Pond "Rock Collection" (1997-3rd)
彼らの3rdアルバムでかつ最後の作品となります。

例によって売れたとは言い難い作品ではありますが、
彼らのアルバムの中でも最も高い評価を得ています。

まず2ndまでに比べると音楽的なまとまりが強まり、
ザラついた感覚やサイケ的な粘りはやや希薄です。

そういった尖った部分に関してはいくぶん弱まったものの、
物悲しげで少し宇宙的なギターロックとしての完成度は高まり、
楽曲単位で見てもよくできている曲が多く入っていますね。

"Spokes"などはより親しみやすいサウンドになってますが、
そうでありながらもほどよいひねりも加えられています。

"Flawed"や"Golden"などは彼らが1stから培ってきた、
胸を締め付けるような音の一つの完成形とも言えますね。

Sunny Day Real Estateが好きな人には特に向いてそうです。

またAstronaut(宇宙飛行士)がタイトルに入った曲があるなど、
少しではあるものの宇宙的な要素がこれまでより強まっています。

グランジらしさを求めるなら1stが最も合っていますが、
アルバム全体の完成度ではこの3rdは非常に優れてますね。

[今回のYoutube]
今回のYoutubeは1stから"Young Splendor"を選びました。

3rdにも"Spokes"などいろいろといい曲がそろってますが、
今回1stの持っているグランジ色の強さを優先しました。

またこの曲は彼らが最初に出したシングル曲でもあります。
アルバムは93年ですが、シングルは91年に出たようです。

この曲は1stの頃の彼らの特徴が非常によく出ていて、
ポストハードコアとインディーロックがまざったような
ザラザラとして哀感に満ちたサウンドを鳴らしながら、
そこにサイケデリックで粘り気のあるメロディが乗ります。

それでいてきっちりまとまってるのが非常にいいですね。

Pond "Young Splendor" (1991) [Grunge / Alternative Rock]

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今日の一枚 (2013 7/5~7/14)

今回は90年代以降のヘヴィロックに多大な影響を与えた
ニューヨークのNo Waveシーンで活躍したSwansの紹介です。

7/12
Swans "Filth" (1983-1st)
Swans "Cop" (1984-2nd)
Swans "Young God" (1984-2ndEP)
[Post-Punk / Noise Rock / No Wave / Industrial / Sludge Metal]

ヘヴィなロックというものはいろいろとありますが、
そのヘヴィネスのルーツはHR/HM由来のものが多く、
パンクをルーツにしたヘヴィネスは比較的少ないです。

しかしながらこのSwansはHR/HMとは違った形で
パンク~ポストパンクの流れを汲んだヘヴィネスを
明確に提示したという点において非常に革新的です。

そのサウンドの核は無機的なポストパンクであったり、
Flipperのようなノイジーなパンクにあると見られますが、
とにかくドラムやパーカッションに強い特徴があります。

引きずるように重いリズムに、ノイジーなギター、
工場の中で重々しい機械音を聴き続けているような
HR/HMのものとは異質なヘヴィネスに満ちています。

90年代の音楽を聴いてる人がSwansを耳にしたときに
真っ先に思い浮かんでくるのがMelvinsだと思います。

Melvinsの引きずるような重さのルーツはここなのでしょう。
Black Flag meets Swansが彼らの基本と言ってよさそうです。

またMelvinsだけでなく、スラッジのルーツの一つとも言えます。

一方でThe Jesus Lizardなどのノイズロックへの影響も見えます。
The Jesus Lizardが時に見せた重いサウンドにも繋がってますね。

どう切り取ってもヒットするような要素はないですし、
大衆性と呼べるようなものはほぼ見当たりませんが、
この重くてノイジーなサウンドはヘヴィなロック好きなら
ドップリとハマりこんでしまう力を強く秘めていますね。

◎Swans "Filth" (1983-1st)
そんなSwansの1stですが、この時点で彼らの特徴である
工場の中の重い機械音のようなスタイルが確立されています。

1曲目の"Stay Here"からその重々しさに圧倒されます。
他にもヘヴィでノイジーな路線の曲が多くつまっています。

ただ一方でポストパンクからの流れも明確に見えてきます。
特に"Big Strong Boss"などはKilling Jokeぽくもありますし。

それにしてもとにかく実験性に特化したような作品で、
当時のNYのNo Waveシーンならではという感じがします。

◎Swans "Cop" (1984-2nd)
とにかく重い、その一言に尽きるアルバムと言えます。

1stと比べると工場の中にいるような感覚はやや薄れて、
ギターもノイジーであることよりも重さがより強調され、
うなるヴォーカルと合わせて這い回るような重さを見せます。

1stは明らかにポストパンクの流れにあったのですが、
ここまで来るとその枠すら超えたような感覚になります。

Melvins好きの人ならほぼ確実に気に入るサウンドでしょうね。
またメタル好きの人なら1stよりも受け入れやすいと思います。

もっともメロディアスな要素などはかけらもないですが。

アルバムとしての完成度の高さは1stと甲乙つけ難く、
できることなら2枚合わせて聴いてもらいたいですね。

◎Swans "Young God" (1984-2ndEP)
4曲入りのEPで、現在は"Cop"と合わせて1枚になっています。

どちらかといえば1stより2ndに近い作風ではあるけども、
2ndがヘヴィネス重視なのに対してこちらは重さよりも
薄ら寒さを感じるダークな質感が強いのが特徴と言えます。

Swans流のゴシックという解釈をされることもあるそうです。

作品のインパクトとしては1stや2ndにはやや劣りますが、
彼らの持つ特徴はこのEPでもちゃんと感じられますね。

[今回のYoutube]
今回はSwansのみなので、YoutubeももちろんSwansです。

1stの曲にするか2ndの曲にするか少し迷いましたが、
ここはズッシリと重い2ndの"Half Life"にしました。

1stが工場の中で機械音を聴き続けているような感覚とするなら、
こちらは火山の奥深くの溶岩の流れる洞窟のような感覚があります。

案外そういう場面を連想しながらこの曲を聴いてみると、
思った以上にすんなりと聴けたりするかもしれません。

聴く者を地底深くにまで引きずり込むような重さ、
これこそがSwansの2ndの醍醐味と言っていいでしょう。

Swans "Half Life" (1984)
[Post-Punk / No Wave / Sludge Metal / Industrial / Noise Rock]

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今日の一枚 (2013 6/22~7/4)

今回は急に90年代のバンドがメインになっています。
ただ、ここでもサイケつながりのバンドがやや多いですが。

6/27
Counting Crows "August and Everything After" (1993-1st)
[American Trad Rock / Alternative Rock / College Rock]

ポストR.E.M.みたいに語られることもあるオルタナバンドの1stです。
このバンドについてはこれまでも何度か言及はしてるのですが。

それにしても北米での人気に対して日本での知名度はかなり低いです。
この1stはアメリカで700万枚、カナダでもプラチナムを7回獲得しています。

知名度が低い最大の理由はその立ち位置の微妙さなのでしょうね。

90年代オルタナを代表するバンドの一つではあるのですが、
グランジとは違うし実験性を打ち出すタイプではないし、
The Goo Goo Dollsあたりと近くはあるけどもっと地味で、
ルーツ志向だけど90年代らしさのある不思議なサウンドです。

2ndになるともう少しわかりやすい躍動感も出してきますが、
この作品はフォークやアメリカーナなどの影響を見せつつ、
全体的に静かでかつひどく寂しげなムードを漂わせます。

1曲目の"Round Here"から3曲目の"Mr. Jones"までが特に秀逸で、
ただ4曲目と5曲目の地味さに少しなじめないときもありましたが、
今ではその地味さも含めて楽しむことができる作品になってます。

The Goo Goo Dolls、Live、Gin Blossoms、Toad the Wet Sprocketなど、
ややしっとりした90年代バンドが好きな人がさらに深いサウンドを
求めるときに手を出してみてほしいバンドという感じがします。

7/1
Talk Show S/T (1997-1st)
Flowerhead "The People's Fuzz" (1995-2nd)
[Neo-Psychedelia / Grunge]

サイケポップぽいグランジが聴きたかったので連続で聴きました。

◎Talk Show S/T (1997-1st)
Talk ShowはStone Temple Pilotsのメンバーが
スコット・ウェイランドを外して組んだバンドですね。

全くと言っていいほど売れなかったのですぐ消えましたが、
サイケ寄りのグランジとしてはなかなか良質の仕上がりです。

STPからスコットの持つ主張や陰影が消えたことによって、
より明度の高い温かみのあるサウンドになっています。

もっともその陰がないのが物足りないとも言われますが、
逆にそれがこの作品の個性にもなっているのですよね。

「グランジ=暗い」という図式だけで見てしまうと、
このアルバムは評価されにくいのかもしれませんが。

◎Flowerhead "The People's Fuzz" (1995-2nd)
デイヴ・グロールが気に入っていたサイケ寄りのグランジバンドです。

1stではもっと粘度が高いサウンドを鳴らしていましたが、
2ndではより透明感のあるサイケ系グランジになっています。

どうも1stに比べると注目される機会が少ないですが、
Talk Showが好きならこれもかなりいけると思います。

・・・って、Talk Show自体あまり人気がないのですが;

こういった明度が高くて透明感のある作品もいいのですけどね(´・ω・)

7/2
Tripping Daisy "I Am an Elastic Firecracker" (1995-2nd)
Tripping Daisy "Jesus Hits Like the Atom Bomb" (1998-3rd)
[Neo-Psychedelia / Grunge]

さらに続けてサイケポップ寄りのグランジバンドです。

◎Tripping Daisy "I Am an Elastic Firecracker" (1995-2nd)
2ndは彼らのヒット作で、カナダでプラチナムを記録しました。

サイケポップ寄りという点ではTalk Showなどと同様ですが、
サイケらしい浮遊感やドロドロとした感覚はかなり希薄です。

Pixiesの影響を受けたパンキッシュな躍動感を前面に立て、
そこにサイケポップの透明感を流し込んだ感じですね。

そのためサイケとしての面白味はやや弱くもあります。

ただ楽曲の質は総じて高く、アルバムとしての完成度は高いです。
ちょっとポップすぎると思われる面もあるかもしれませんが。

◎Tripping Daisy "Jesus Hits Like the Atom Bomb" (1998-3rd)
そんな彼らの3rdですが、2ndまでの音楽性を維持しながら
2ndでやや薄かったサイケデリアを大幅に高めています。

透明感と深みのあるサイケデリアとパンキッシュな躍動感、
実験性がありながらもポップな感覚もちゃんと残っていて、
アルバムのクオリティとしては2nd以上のものを見せます。

なので、こちらはポップ感のあるグランジとしてだけでなく、
90年代におけるネオサイケとしても十分に楽しめますね。

[今回のYoutube]
今回のYoutubeはCounting Crowsの曲を選びました。

1stアルバムの最大の代表曲である"Mr. Jones"にするか、
オープニングを飾る"Round Here"にするか迷いましたが、
今回はあえて"Round Here"のほうを選ぶことにしました。

ものすごく静かな始まりから徐々に熱が高まっていく、
その展開はアルバムの最初を飾るにふさわしいのですが、
そこに描かれているストーリーはひどく暗いのですよね。

恋人を自殺か何かで失ったと見られる男性が主人公で、
出会ってからここに至るまでの話などが書かれています。

"Round Here"のroundは前置詞ではなく動詞のように取れます。
この彼はそこから抜け出せず同じ場所を回り続けてるという感じで。

また単にパーソナルな視点で書かれた物語というよりは、
もう少し社会的な観点から書いた話という感じもします。

こういったシリアスなテーマは非常に90年代らしいですね。

曲の最後のほうで"You catch me if I'm fallin'"という、
おそらく彼女が過去に彼に言った言葉を思い出して、
落ちていく彼女(の幻影)を支えに行こうとするシーンが
このビデオの一番のハイライトと言えるかもしれません。

Counting Crows "Round Here" (1993)
[American Trad Rock / Alternative Rock / College Rock]

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今日の一枚 (2013 6/8~6/21)

今回はXTCのアルバムをメインに紹介しています。

6/12
XTC "25 O'Clock" (1985-EP)
XTC "Psonic Psunspot" (1987-9th)
[Neo-Psychedelia / Psychedelic Rock]

XTCがThe Dukes of Stratosphearという変名で出した作品です。

◎"25 O'Clock" (1985-EP)
もともとはちょっとしたジョーク作品的なもので、
60年代サイケへのオマージュがつまっています。

いかにもThe Electric Prunesな"25 O'Clock"に始まり、
その後も初期のPink FloydやIron Butterfly、
The Idle Raceなどを連想させる曲が続いていきます。

サイケポップ的な曲よりはややダークな曲が多いですね。

ヘヴィなサウンドとファンタジックな表情の両方を見せる
"Your Gold Dress"などはなかなか面白いアプローチです。

◎"Psonic Psunspot" (1987-9th)
ダークな質感の曲が多かった"25 O'Clock"に対して、
こちらはサイケポップ寄りの曲が多くなっています。

The Holliesの"Evolution"の曲っぽい"Vanishing Girl"、
The Moveの"Blackberry Way"そのものな"Collideascope"、
The Kinks+The Beatlesな"You're a Good Man~"、
The Byrdsを連想させるような"You're My Drug"、
サイケ期The Beatlesらしい"Brainiac's Daughter"など、
元ネタがチラチラと顔を見せてくるのが面白いです。

そしてアルバムの最後はいかにもThe Beach Boysな
"Pale and Precious"で幕を閉じるという形です。

60年代後期のThe Beach Boysのサウンドを軸にしつつ、
途中で"California Girls"のようなムードになって、
そこから"Good Vibrations"のようなテルミンが入り、
またサイケ期The Beach Boysに戻るという流れです。

The Beach Boys好きなら思わずにやける曲ですね。

XTCが好きな人はもちろんサイケ好きにもオススメな
遊び心満載のネオサイケアルバムとなっています。

6/21
XTC "White Music" (1978.1-1st)
[Post-Punk / New Wave / Punk]

ポップさを持ったオルタナバンドの先駆者でもある彼らの1stです。

後に少しずつポップな質感を強めていく彼らではありますが、
ここにあるのはちょっとポップでひたすらハチャメチャで
おふざけ感覚に満ちたパンク/ニューウェイブサウンドです。

The Carsほど大衆性のあるサウンドを意識するわけでもなく、
他のポストパンクバンドみたいに内省的になるわけでもなく、
ニューウェイブバンドみたいにシンセを多用するわけでもなく、
パンクバンドのように攻撃性を前面に押し出すわけでもない、
だけどパンクの直線性とポストパンクの実験性が共存しています。

このあたりのサウンドはOingo Boingoとの共通性も感じますね。

直線的で遊び心のある"Radios in Motion"から始まり、
ひねくれたポップ感覚を見せる"This Is Pop?"、
ボブ・ディランの"All Along the Watchtower"のカバー、
他にも彼ららしいパンキッシュでひねりのある
"Statue of Libety"、"New Town Animal in a ~"など、
非常に楽曲の充実度の高いアルバムとなっています。

また、現在のバージョンでは多くのボートラが収録され、
"Science Friction"などの初期のシングルも聴けます。

後の彼らと比べれば「XTCらしさ」は弱いかもしれませんが、
ポストパンクの一つの形として実に面白い作品と言えます。

普通にパンクが好きな人にも十分にオススメできますね。
異形ながらもパンクと呼びうる範囲にあるサウンドですし。

[今回のYoutube]
今回はXTCの1stから"Science Friction"を選びました。

1stの最大の代表曲は"This Is Pop?"ではありますが、
この作品の持つパンキッシュな直線性がよく出ている
ということでこの"Science Friction"にしました。

パンキッシュなんだけど普通のパンクとは違う、
このバランス感覚がこの作品の大きな持ち味ですね。

XTC "Science Friction" (1977) [Post-Punk / New Wave / Punk]

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今日の一枚 (2013 5/20~6/7)

ちょっとバタバタしていて間が空いてしまいました。
今回はひさしぶりに90年代のバンドも出てきます。

5/20
Blind Melon "Soup" (1995-2nd)
[Alternative Rock / Grunge / Neo-Psychedelia]

これまでに何度も聴いてきているアルバムなので、
こちらであえて取り上げる予定はなかったのですが、
改めて聴くと発見があったのでここに載せてみました。

Blind Melonというと、Grateful Deadを基盤に
サザンロックやハードロックの硬質さを合わせ、
そこに陰のあるメロディを重ねるバンドですが、
2ndではそこから音楽性が広がっているのですよね。

で、その新たに取り入れた音楽性の大きな部分が
サイケフォークだと今さら気付いたのですよね。
フォークを取り入れてることはわかってたのですが。

これは最近The Incredible String Bandを
やたらと聴いていたことで気付けたものですね。

特に"Skinned"や"Walk"などの曲でその傾向が強いですね。

おかげでこのアルバムの良さにさらに気付けました。
何度も聴いていても見落としてることは多いのですね。

6/7
The Kinks "Something Else by The Kinks" (1967-5th)
[Rock / Baroque Pop / Psychedelic Pop]

前回紹介した"Village Green"の1つ前のアルバムです。

音楽的な方向性は次作の"Village Green"とかなり近いです。

次作ほど田園志向が強いわけではありませんが、
素朴なイギリスを感じさせる音楽性と言えます。

その素朴なイギリスっぽさがどこかサイケっぽくもあり、
サイケを志向してないのにサイケに近い要素があるという、
ここも次作の"Village Green"と共通する点と言えますね。

ただ、次作のようなコンセプトアルバムではなくて、
それぞれの曲が独立している感が強いのが特徴です。

"Village Green"にはシングル曲がなかったですが、
こちらはシングル曲やシングル向きの曲が多いです。

なので、とっつきやすさという点ではこちらが上です。

一方で一枚のアルバムとしての流れはやはり次作ですね。
ただ、どちらも非常に評価の高く甲乙はつけ難いです。

できれば両方合わせて聴いてもらいたい作品ですね。

アルバムはサイケじゃないはずがどこかサイケな
ふわっとした感覚のある"David Watts"から始まります。

続く"Death of a Clown"は今作の中でも特に好きな曲で、
美しく軽快ながらもどこか物悲しさを感じさせます。

他にもバロック色豊かな"Two Sisters"、次作の曲にも近い
"No Return"やシングルにもなった"Afternoon Tea"など、
前半から後半まで非常に充実した楽曲が収録されています。

特に面白いのが"Lazy Old Sun"で、サイケ志向じゃないのに
自分たちが表現したいものをストレートに描写した結果、
サイケそのものになるという彼ららしさがよく出ています。

そしてこのアルバムを語るうえで絶対に外せないのが
アルバムの最後を飾る"Waterloo Sunset"ですね。

[今回のYoutube]
ということで、Youtubeもその"Waterloo Sunset"です。

ロンドンにあるWaterloo駅の夕暮れを描写した曲で
そこで待ち合わせをしている男女が歌われていますが、
その美しさはまさにこの時期のThe Kinksが志向した
イギリスの素朴の風景の美しさそのものと言えます。

60年代を代表する美しい曲の1つと言っていいでしょうね。
彼らの最も有名な曲の1つでもあり、評価も非常に高いです。

この時代の美しい曲というとThe Beach Boysの
"God Only Knows"がまず思いつくところですが、
共通する美しさを持つもアプローチはほぼ真逆です。

様々な楽器を使い幻想的に仕上げた"God Only Knows"に対し、
こちらは素朴な風景の中から美しさを紡ぎ出していきます。

どちらも非常に美しい曲なので、聴き比べるのも楽しいでしょう。

The Kinks "Waterloo Sunset" (1967)
[Rock / Baroque Pop / Psychedelic Pop]

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今日の一枚 (2013 5/12~5/19)

今回も60年代後半の重要な音源の紹介となります。

5/15
The Incredible String Band "The Hangman's Beautiful Daughter" (1968.3-3rd)
[Psychedelic Folk / World Music]

変態サイケフォークバンドの3rdアルバムです。
彼らの中で最も評価が高いのがこの作品になります。

しかもイギリスではかなりのセールスを記録しています。

いくら当時がサイケデリック全盛期だったとはいえ、
ここまで奇抜な作品が売れたのはかなり驚きですね。

その時代の勢いや包容力の大きさを感じさせられます。

さて、前作で変態色とサイケデリアが開花しましたが、
それでも「フォーク」と聞いて連想されるサウンドと
それなりの共通性を持った範囲に収まってはいました。

しかしながら本作ではその枠も大きく超えていき、
さらに縦横無尽な変態サイケフォークが展開されます。

まず2ndを継承したような"Koeeoaddi There"から始まり、
合唱指導のような不思議な"Minotaur's Song"へと続きます。
"Minotaur's Song"は一度聴いたら頭から離れません。

寂しげな"Witches Hat"をはさんで本作の主役となる
13分にも及ぶサイケフォーク組曲へと流れていきます。

13分の曲と聞くと少しばかりかまえてしまいますが、
小さな曲がいくつも組み合わされながら流れていく、
その大きな流れに注目してみると非常に楽しいです。

1曲をはさんで"Waltz of the New Moon"へ続きます。
最初は普通にアコースティックギターから始まり、
徐々にハープやハープシコードが入ってきながら
変態的ながらも幻想的な世界が展開されていきます。

そこから流れるように"The Water Song"に入りますが、
これもまた水を描いた妖しくも非常に美しい曲です。

この2曲もまたアルバムの大きなハイライトですね。

そしてインド臭の強い"Three Is a Green Crown"、
風を表現した"Swift As the Wind"へと続いていき、
最後はフォークらしい"Nightfall"で幕を閉じます。

風や水の表現や組曲形式となっている楽曲があるなど
The Beach Boysが"SMiLE"でやろうとしたことと
共通するような要素もけっこうあったりしますね。

2ndと比べてもさらに奇抜さが強まっていますが、
一方で曲の持つ個性がさらに際立ったことで
変態的ながらもそこそこ間口が広い作品と言えます。

ハマってしまうと2nd同様抜けられなくなりますね。

5/18
The Kinks "The Kinks Are the Village Green Preservation Society" (1968-6th)
[Rock / Baroque Pop / Psychedelic Pop]

サイケデリック全盛期にThe Kinksがリリースしたアルバムです。

セールスは芳しくなかったですが、評価は極めて高く、
今ではThe Kinksを代表する作品の一つとなっています。

The Kinksといえば、後にVan Halenがカバーした
"You Really Got Me"などのハードな曲が有名ですが、
この作品は1968年という時代を反映した作風となっています。

すなわちサイケか・・・というと、それが微妙に違うのです。

サイケが幻想的で現実を超越した世界を志向したのに対し、
この時期のThe Kinksは素朴な田園風景を描写しています。

タイトルを訳すと「村の緑の公園の保存会」となりますが、
まさにこの時期のThe Kinksの志向性が表れています。

すなわち、どこかサイケに背を向けていたムードがあるのですが、
サイケのもう一つの特徴だった独創的な音作りは強く志向しており、
サイケ的な浮遊感がやや弱めで、かつ世界観は大きく違うものの、
音楽的にはサイケポップにも近いという不思議な立ち位置にあります。

そのため、サイケと距離を置こうとしたはずの作品でありながら、
サイケ好きに受け入れられやすいアルバムとなっています。

The Kinksの目指した「古風なイギリスの風景の描写」は、
バロックと結びつきやすく、それがゆえにサイケポップと
必然的に共通性が大きくなるといった側面もありましたが。

アルバムは全体的に素朴でほのぼのとしたムードが強く、
統一感を持たせたコンセプトアルバムとなっています。

そのためインパクトの強い楽曲が少ないとも言われますが、
古風なイギリスを撮った写真集のような美しさがあります。

オープニングナンバーや"Starstruck"のほのぼの感、
古風な"Sitting by the Riverside"や"Village Green"、
サイケ的にふわふわした"Phenomenal Cat"や"Monica"など
いろいろなイギリスの表情がここに映し出されています。

サイケの文脈ではあまり語られない作品であることから、
この時代の代表作として取り上げられる機会が少ないですが、
The Beatlesの"Sgt. Pepper~"のライバルにもなりうる
作品の一つと十分に言うことのできる作品と言えます。

[今回のYoutube]
今回は迷わずThe Incredible String Bandから選びました。
The Kinksは別のアルバムから選ぶ予定にしていますので。

変わったアプローチをとっている"Minotaur's Song"、
組曲っぽい形式の13分の大作"A Very Cellular Song"、
水を描いた素朴な"The Water Song"などがありますが、
ここはサイケデリックでなおかつ変態フォークらしい
"Waltz of the New Moon"を紹介することにしました。

「新月のワルツ」・・・タイトルも非常に美しいですね。

変態的でありながら神秘的で美しく酩酊感に満ちている、
このアルバムの持つ個性がこの1曲に凝縮されています。

The Incredible String Band "Waltz of the New Moon" (1968)
[Psychedelic Folk]

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今日の一枚 (2013 5/1~5/11)

今回もまた60年代サイケが中心の紹介ではありますが、
変態度の高いサイケフォークにも足を突っ込んでいます。

5/5
Bee Gees "Bee Gees' 1st" (1967-3rd)
[Psychedelic Rock / Psychedelic Pop / Baroque Pop]

"Melody Fair"や"How Deep Is Your Love"などの
ソフトで美しいメロディの楽曲で日本でも有名な
ビージーズの1st・・・ではなく3rdアルバムです。

1967年ということからもすぐに想像がつきますが、
ビージーズもこの時期はバリバリのサイケでした。

この作品が面白いのはクラシカルな要素が強い
バロックポップのスタイルをとっていながら、
そういったバンドによくある上品さがあまりなく、
そこからドロドロのサイケデリアを引き出してる点です。

"To Love Somebody"などは素直なバロックポップで、
後のビージーズのサウンドに繋がるものがありますが。

物憂げな"Holiday"や"New York Mining Disaster 1941"、
しっとりしながらも危なっかしいムードが漂っています。

でもって、サイケらしい意味不明なタイトルも多いです。
"Red Chair, Fade Away"、"Cucumber Castle"(きゅうりの城)、
"Every Christian Lion Hearted Man Will Show You"など、
まさにこの時代らしい怪しげな雰囲気にあふれています。

これも当時のサイケデリックを代表する作品の一つと言えますね。
一見優雅そうなのにドロドロとした感覚がたまりません。

5/6
The Incredible String Band "The 5000 Spirits or the Layers of the Onion" (1967.7-2nd)
[Psychedelic Folk / World Music]

サイケフォークを完成させたとして知られる作品です。

サイケフォークと言えばまだ聞こえはいいのですが、
「変態フォーク」のように形容されることも多いです。

基本のスタイルはいろいろな民俗楽器などを利用し、
枠にとらわれない牧歌的で大らかなサウンドにあります。

このスタイルはサイケ化する前の1stに確立されていました。

いわゆる土の香りのする大陸的なサウンドとは違い、
草原や高原を連想させるような香りが非常に強いです。

これはスコットランド出身というのも大きいのでしょうね。

2ndはそれを基本にサイケデリックな酩酊感を取り込み、
さらに1stよりも実験的なアプローチが強まったことで、
変態的でつかみどころのないサウンドが展開されます。

そのため最初はなかなかこれに馴染めなかったのですが、
何度も聴いているうちにだんだんとクセになってきました。

"Painting Box"、"The Hedgehog's Song"あたりは
アルバムの中でも比較的聴きやすいタイプと言ってよく、
シンプルながらも適度に変態な"No Sleep Blues"も秀逸で、
"The Mad Hatter's Song"では変態サイケフォークが聴けます。

かなり変わったサウンドであることは間違いないので、
その音の中に自分を浮かべるような感覚で聴くほうが
この作品の持つ世界の魅力を感じられるように思います。

そうすることでこの作品の持つサイケ感もより堪能できます。

5/7
The Incredible String Band S/T (1966.6-1st)
[Folk / World Music]

こちらは先に紹介した変態フォークバンドの1stです。

バンジョー・マンドリン・バイオリン・カズーなど、
多彩な楽器を利用した民族音楽という色が濃いです。

2ndとの大きな違いは変態度があまりない点ですね。

それゆえに2ndよりはとっつきやすさはあります。

これといってメロディアスな曲はないのですが、
素朴な雰囲気だけでも楽しいものがありますし。

ただこのバンドの持つ味わいが深まってくるのは
やはり2nd以降の変態色豊かなアルバムのほうですが(゚◇゚)

[今回のYoutube]
今回はどちらのバンドから選んでも良かったのですが、
ISBは次回に3rdを紹介するので今回はBee Geesにしました。

"Bee Gees' 1st"の代表曲は"To Love Somebody"、
"New York Mining Disaster 1941"、"Holiday"ですが、
その中でもとりわけサイケ感が強い"Holiday"にしました。

歌詞は意味がわからないと解釈されることも多いですが、
神に対してどうして自分だけが何も与えてもらえないのか、
なぜ自分に対してだけはいつも安息日(holiday)なのか、
といった問いかけをしているものとも言われたりします。

バロック的で非常に美しい楽曲であると同時に
非常に物憂げでかつ強いサイケ感を持っています。

"Bee Gees' 1st"の個性がよく出た曲とも言えますね。

Bee Gees "Holiday" (1967)
[Psychedelic Rock / Psychedelic Pop / Baroque Pop]

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